【調子】とは・・

鉛筆デッサンを制作していくとき、また仕上がったデッサンに対して論評するようなとき
【調子】という言葉を多く使います。
デッサン用語としての【調子】は、「今日は足の調子が良い」とか「パソコンの調子が悪い」
…のように、物事の具合、コンディションを表す際に使う「調子」の意味ではありません。
どちらかというと音楽で「調子が外れる」とか「調子が高い」などと使う用法に近いかと思いますが、
デッサンで【調子】と言うと、鉛筆などで描いた、グレーの濃淡、明暗など、色の階調の状態・様子を意味します。
(【色調】という言葉がありますね…)

【調子】を取る…は、
描こうとするモチーフについて、色の濃淡や光による陰影などを、観察して捉え、描写する事を言います。
「そろそろ調子を取ってみよう。」とか「この辺の調子が取れていない。」などのように使います。
前者は、画面の構図や、モチーフの大きさ、大まかな形のアタリなどが決まったところで、
次の段階として、明暗を観察して描き込みましょう…という意味、
後者は、ある部分の、明暗や色の濃淡の観察・描写が、不充分だという指摘です。

【調子】を入れる…という言い方もあります。
これは、画面に明暗や濃淡を描き込むという意味です。
上(調子を取る)と、よく似た使い方で「調子を入れてみよう。」とか「調子が入っていない」などと言います。

「~を取る」がモチーフの観察に主体を置いているとすれば、「~を入れる」は
画面に描き込む作業に主体を置いた言い方ですが、その表すところは同じ行為と言えます。

【調子】が足りない…明暗や濃淡の表現が不充分だという意味。
グレーの色数が少なく、階調が表現できていない場合や、
または描き込みが不足していて全体的に濃度が足りないなどを意味します。

【調子】がきれい…
明暗や濃淡の階調が幅広く、さらにグレーの色数が豊富であり、明暗濃淡の関係が正しく捉えられ、的確に描き込まれていると、美しさが出て来ます。

…上記のような使い方をします。

鉛筆デッサンは、モノトーンですべてを表現しなければなりません。
モノトーンの表現力を高める為には、いかにグレーの色数を多く、階調を幅広く細かく表わすことができるかが大変重要です。
つまりデッサンに於いて【調子】の表現は、非常に大切だということになります。
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by hiratsukadessan | 2010-10-03 01:14 | デッサンの用語