鉛筆硬度の使い分け(3)

このようなことは、まず自分で積極的に数多く試してみることが重要ですが、
ポイントとなるのは、硬度による、タッチ(筆触…つまり線の表情)の違い、
調子を出すための線の密度の違い、そして鉛筆の色合いの違い…といったところでしょうか。


例ですが…… モチーフの、台に映る影を描写しようとする場合、
同じ程度の暗さでも、4Bによる調子と、HBによる調子とでは、かなり印象が違うはずです。
比較すると、4Bで作った調子は粗く、HBによるものの方が線の密度が高くなり、
4Bによる影は、少し浮き出て見えてしまう…というようなことがあります。

モチーフの状態や、光の状態、台の部分の素材があるのかどうかにもより見え方は変わりますし、
また、実際には、4Bだけ、HBだけ…で影を描くという事はないでしょうし、
上記は説明のための、【例え】です。
影は4Bで描いてはイケナイ…等というつもりはありません。…が、これに近いことはよく見受けられます。


同様の効果の応用として、同じ色で、更に光の条件もほぼ同じであるモチーフの、
近い部分と遠い部分を、描き分けたい…というようなとき、
同じ調子を、4Bで出すのと、Bで出すのとの違いを利用する事ができるかもしれません。


下地を4Bで作り、上からFのタッチを重ねるのと、逆に、下地をFで作り、4Bを重ねるのと、
どのような違いがあるのか、無いのかを知っておく…等というようなことも、
何らかの表現に役立つかもしれません。

硬度の使い分けによる様々な表現は、実際のデッサンの制作の過程で、少しずつ実験するつもりで、
積極的に試していくようにすると良いと思います。


が、デッサンはあくまでも観察が主体ですから、
まず観察して、感じ取った、表現したいものを、どう表現するか…というときに、
鉛筆の技法を工夫してみる、というスタンスでなければいけません。

こういう鉛筆を使えばこう見えるはずだ…というようなテクニック先行の表現になってしまっては、
デッサンとしては弱い、リアリティのないものになってしまいますので注意が必要です。
[PR]
by hiratsukadessan | 2010-10-27 03:39 | デッサン技法