ガラスを描く(1)

静物デッサンのモチーフとしてよく使われる物のひとつがガラス製の容器です。
デッサンでは、見える物を見えるとおりに描くのが原則ですが、ガラス製品を描く場合は、
その点で少し、難しく感じるところがあるかもしれません。
背景を描かない事が多い鉛筆静物デッサンの場合に、透明なガラス越しに見える背景部分を
どうするかという問題です。
また、金属や陶器などの描写でも同様に気になる映り込みの問題もあります。

ガラス越しに見える背景や、ガラス表面に映る周辺のモノをすべてそのまま描くと
器の向こう側だけに背景ができたり、画面には描かれていない物が映り込んだりすることになり、
それは、仕上がった画面の中では、ガラスに色や模様があるかのように見えてしまって、
不自然な印象を与えます。


従って、反射・映り込みについては、原則として、
画面に描くモチーフが映っているものは描写する、それ以外のモノは、描かない…事を基準にするのですが、
室内であれば、光源である照明器具や窓などが、何カ所かハイライトになってガラス面に映っていると思います。
これについては、他のモチーフにも同じ光源からの光が当たっていることを考えれば、
ハイライトを描いても不自然にはならないと考えられます。

またこのようなハイライトの描写がガラスの質感を表現しますので、これは積極的に描写して良いと思います。
ただし、あまりに克明に、照明器具の詳細なかたちまで描写すると、不自然に見えてしまう可能性が高いので
注意します。(これは、画面全体の描写の細密度のバランスに関係します。)

ガラス越しに見えるものについても考え方は同じで、セットしたモチーフが、
ガラスの向こう側に見えているのであれば、当然、見えるままに描きますが、
背景を描かず、バックを紙の白で制作する場合に、実際には、向こう側の壁や床、
あるいは向かいの席にいる人物などが見えていたとしても、それは描かず、
背景が白い状態を想定して描く事になります。

これがムズカシイ場合は、白い紙をガラスの後ろに立てかけるなどして、
実際に背景が白い状態を見てみると良いでしょう。


では、映り込みも、透けて見えるモノも、実際見えているものを描かず、
その部分はどう表現するのかという問題ですが、、、、

(2)に続きます。
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by hiratsukadessan | 2011-07-01 03:08 | デッサン技法