<   2010年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

●はかり棒

デッサンの制作過程では、モチーフのかたちに対する自分の思い込みや観念的な見方に気づくため、また正確な形を把握するための方法として、しばしば【はかり棒】を使って位置関係や大きさの割合などを確認します。

デッサン塾では、長めの鉛筆を使ってこの練習をしますので、はかり棒をわざわざ準備しなくても大丈夫です。
でも、鉛筆では、その太さのために使いづらいこともありますので、はかり方の手順がわかってきたら、専用の【はかり棒】を用意すると、もっと見やすくなるかもしれません。

【はかり棒】は、商品として画材店でも販売されています。
市販品には、目盛りのついた太めの金属棒と針金状の細い棒が二本セットになって、角度も測れる凝ったものも作られていますが、はかり棒で測る作業は、精密な計測とは違いますので、棒に刻まれた細かい目盛りを見てしまうようなことはオススメできません。
はかり棒は、単純にまっすぐな【棒】だけで、充分だと思います。

イザとなると、身のまわりになかなか適当なものがみつからないかもしれませんが、もし次のような条件に合う手頃な【棒】があれば活用してください。

下端を持って立てても撓ったりしないしっかりした素材で、できるだけ均一な太さ(1〜2ミリ程度なら理想的)の、歪みのないまっすぐな【棒】であれば、なんでも構いません。
長さは25〜30センチ程度でしょうか。色々な角度で使いますので、あまり長いとあちこちに引っかかり使いにくいです。

はかり棒の使い方については、また改めて書きたいと思います。少しお待ちください。


●デスケール

多分【デスケール】は商品名かと思いますが…ハガキサイズ程度のアクリル板で、マス目の入った透明な窓の周りを黒い枠が囲っている…と書けば伝わるでしょうか。。
画用紙の規格サイズと同じ比率の窓が作られた枠です。
この窓の中に、画面を分割するように細いラインが入っています。
昔は、糸と厚紙などで手作りしていたものですが、現在は正確な比率で見やすく作られた製品が売られている、その商品名です。

私は、これは必ずしも必要ではなく、むしろ間違った使い方をすると、なかなか形の取り方が理解できない原因になることもあるので、注意が必要だと思っています。
もちろん有効な使い方もありますので、使ってはいけないという意味ではありません。

この道具は、目の前にある空間や立体を、画用紙の中にどう納めるのか、奥行きのある3Dの世界を、2Dのシルエットに置き換えて、平面的な構図を考えるという、視点の変換作業に役立ちます。
この枠を通してモチーフを見ることは、画用紙の比率の枠内にどのように納まるかのイメージを確かめる手がかりになります。

ただし、これに頼って形を測る作業まで行おうとすると、狂いが出てきます。
枠内の分割線などが、一見精密に見えるため、これを通して見える比率などを信じ切って描こうとしてしまうのは危険です。

実際は、デスケールの持ち方の違いによる、ほんの僅かの角度の違い、また、自分の目とデスケールとの位置関係の、ほんの僅かな違いによって、枠と、枠を通して見えるものとの関係はかなり変化します。
従って、デスケールを持ってモチーフを見る度毎に、分割線や枠線とモチーフとの関係は変化すると言っても大げさではありません。
これに気づいて目と手の位置を常に正確に保ちながら形を見ることが可能であれば、デスケールによってかたちをとることも可能と言うことになりますが、実際にはそれは非常に困難な作業であり、
また、何よりも、このような方法では、自分の目で正確に比率や位置関係を見極められるようになるための適切なトレーニングにはなりにくいのです。

少し長くなりすぎましたが、このような点に注意しながら、立体を平面に置き換えて画面に納めるという視覚の変換プロセスの補助として使用するのであれば、デスケール(手作りも含め)は、意味のある道具のひとつだと思います。
[PR]
by hiratsukadessan | 2010-09-30 04:22 | デッサンの用語

●画用紙

次に画用紙についてです。
今のところデッサン塾ではB3サイズのスケッチブックを使っています。
特に高価な水彩紙などのものではなく、シリウス紙など、一般的な「画用紙」のスケッチブックをご用意いただいています。
目の細かい製図用のケント紙は、線を重ねにくいので通常のデッサンには向きません。
また、薄い用紙のクロッキー帳は用途が違いますので間違えないでください。

鉛筆デッサンは線を重ねて描き込むので、ある程度の厚さのある用紙でないと、描き込むに従って用紙が伸びてきたり、毛羽立ったり、逆につるつるになって線が乗りにくくなったりしてしまいます。
しかし高価な厚手の水彩紙では、用紙表面の凹凸が粗いため細かいタッチが使いにくかったり、スケッチブックの場合特に用紙の弾力が大きすぎるために鉛筆の調子の変化が出にくい事もあります。

経験を積んで、色々な表現を試す段階になれば、画用紙も色々なものを使い分けてみると良いと思いますが、最初の段階では、用紙表面の凹凸が比較的細かく(細目)、厚口〜中厚口の画用紙が適当ということになります。

スケッチブックですと用紙の種類は限られてしまいますが、用紙を木製パネルに水貼りして使えば色々な用紙を試すことができます。

スケッチブックで描くのと比べ、パネルに水貼りした用紙は、描き込みを重ねても伸びてしまう等の変化が少なく、用紙のテンションにより適度な抵抗感が得られるので細かいタッチの変化も表現しやすくなります。
大きなサイズで長時間かけて描く場合ほど、この違いが大きく出てきますので、基本が身についてきたら、パネルに画用紙を水貼りして時間をかけて制作してみると良いかもしれません。
じっくりと描き込む鉛筆デッサンは、パネルに水貼りした画用紙で制作するのが、いちばん描きやすいと思います。

木炭デッサンではカルトンに用紙をクリップで止めて描きますが、鉛筆は木炭より堅めで線が細いため、カルトンに止めた画用紙は少し不安定で線が乗りにくく、鉛筆の重要な技法であるタッチの変化を使いにくいと思います。
しかし初歩の段階で大きな形のつかみ方やはかり方などを身につける際には、あまり細かい描き込みなどは必要ありませんから、もしお持ちのカルトンをご使用になりたい方はそれで始められても結構です。
[PR]
by hiratsukadessan | 2010-09-30 04:06 | デッサンの用語
非常にご無沙汰致しました。
心を入れ替えて更新していきたいと思います!

手始めに、デッサンに必要な用具について、少し詳しくご紹介していきます。

平塚デッサン塾では鉛筆デッサンを行っています。
ご準備頂く用具は、鉛筆と練りゴム、画用紙(※)、鉛筆を削るためのカッターナイフですが、
その他、はかり棒、デスケール、羽根箒、紙ヤスリなど、初心者の方は特に必要はありませんが、お持ちの方はご自由にお使いいただきます。
これらの用具について順番に書いていきます。


●鉛筆

まず鉛筆ですが、デッサン用の鉛筆は、画材店で扱っている、硬度(H、F、HB、B…)の幅のあるものを使います。
平塚デッサン塾では、2H~6Bまでを一本ずつ用意していただきます。

チャコールペンシルとかコンテペンシルなどは鉛筆型の木炭やコンテで、鉛筆とは違いますので間違えないようご注意ください。

鉛筆は多くのメーカーから出ていますが、(ステッドラー・三菱ハイユニ・ファーバーカステルなど)メーカーによってそれぞれ少しずつ違いがあります。
硬度についても、例えば同じ2Bでもメーカーによって硬さが違いますし、色合いにも微妙な違いがあります。
色合いは、一本の線を引いただけではわかりにくいですが、描き込んだ作品を比べてみると、青っぽいとか茶色っぽいとかいう違いがあります。

これらの違いは、どれが良い悪いと言うことではなく、描く人の好みにより、なんとなく描きやすいとか描きにくいというような「感じ」が出てくるものです。
最初にどれを選ぶかは、それほど深く考えなくても良いと思いますが、硬度の使い分けを身につけるために、まずは同じメーカーの製品で、2H〜6Bを一本ずつ揃えて始めてください。


●カッターナイフ

デッサンでは文字を書く場合に比べて短時間にかなり多くの線を描くことになるので、鉛筆の削り方も、文字を書くときとは少し変えて、芯を長めに出すように削ります。
そのために、ナイフを使って好みの削り方をします。手頃なカッターナイフで構いませんので鉛筆と一緒に用意してください。


●練りゴム

練りゴムは、デッサン鉛筆を置いている画材店なら扱っています。
これもいくつかのメーカーから出ていて、それぞれ特徴があるようですが、練りゴムは鉛筆よりも消耗が早いので、気になるようなら何種類か試すつもりで、あまりこだわらずにまず使い慣れるようにしましょう。

デッサンでの練りゴムは、描いたものを「消す」為の道具ではなく、白い線を描き加える、白い調子を作るための画材…として使いますので、プラスチック製の四角い消しゴムでは代用できません。
練りゴムテクニックも重要になってきますので忘れずに用意してください。

指先につまめる程度の大きさに丸めた練りゴムで、画面を軽く叩くようにしながら少しずつ鉛筆の色を落としていく、練りゴムの先を細く尖らせて、または薄く線状にして、白い線を描くように使う、少し大きめにまとめた練りゴムを円柱形にして、ローラーを転がすように画面の広い面積の鉛筆の調子を明るくする・・・等々、練りゴムの使い方は数多くあります。実践と工夫で身につけていってください。

練りゴムは、使っているうちに、鉛筆の粉を含んでだんだん黒くなるのはもちろん、弾力が失われて引っ張っても伸びなくなる、べたべたと指や画面に着きやすくなるなど変化してきます。
そうなると、画面の鉛筆の取れ方も悪くなりますので、新しいものを使いましょう。
古くなった練りゴムを無理に使っていると、突然画面に粘り着いてしまったり、鉛筆の色を取り去るつもりが、逆に黒い斑点を着けてしまいしかもそれがなかなか取れなくなる…などの困った事態に至る危険があります。

がんがん描き込むタイプかそうでもないか、また手指の状態など、使う人の条件により、練りゴムの寿命はそれぞれ違いますので、そろそろかなと思ったら新しいものを用意しておくことを忘れないでください。
[PR]
by hiratsukadessan | 2010-09-30 03:50 | デッサンの用語