12月25日の平塚デッサン塾は、2010年の締めくくりとして、
スタジオプレーンにてささやかな懇親パーティーを開きました。
その前に、全員で順番にモデルになり、クロッキーを行ないました。


クロッキーとは何か、時々聞かれることがありますので書いておきます。

一般的に「デッサン」は、静止している対象を長時間かけて観察し、描写していくものを言いますが、
「クロッキー」は、人物や動物など、動きのある対象をモデルとして、短時間で描写する方法です。

人物の場合は、5分~20分くらいの、静止ポーズをとってもらうことも多いですが
当然ながら動物にはそのような事は頼めないので、動いている自然な姿を観察し、
動きの中から、素速くポーズを捉えて、描写します。
どちらの場合も、一枚に時間をかけて描くのではなく、色々なポーズを、何枚も、
短時間で描いて行きます。

クロッキーで、対象の様々なポーズを様々な角度から観察し描写することによって
対象全体の実感をつかんで、より正確に把握することを目指します。

技法としては、通常、デッサンのように「調子」で表現するのではなく、
主に「線」を使用して描いていきます。
陰影を入れてはいけないということではありませんが、短時間に全体を捉えるために、
線の強弱や抑揚などを工夫して、かたちや動きの特徴を描写します。


デッサン同様、クロッキーでも、作家が、自分の作品制作の資料など、何らかの目的を持って
行なう場合は、その目的に応じて部分に絞った描写を行なう場合もありますが、
基本は、まず対象(モデル)の全体を描写し、動きやかたちのバランスを、正確に捉えることです。
(これがしっかりとできなければ、作品制作に役立つ部分描写を行なう事も難しいでしょう。)

つまり、クロッキーでは、画面に、対象の全体を描くことが基本です。
できるだけ、自分の使用する描画用紙いっぱいに、対象全体が大きく入るように描きます。
部分がはみ出してしまったり、逆に、余白が大きくなりすぎたりしないように、
適切な大きさで画面いっぱいを使って描くということです。

これは、結果として、素速く全体のバランスを捉える観察力をつけることに繋がりますので、
最初はうまくいかなくても、適切な大きさで全体像を描けるように努力してください。
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# by hiratsukadessan | 2010-12-29 02:35 | デッサンの用語
しばらく更新できませんでしたが・・
新しい教室の準備に追われていました。

どうやらこんな感じに整いました。
今週から、木曜日14時〜17時、17時半〜21時半は、
こちらで平塚デッサン塾を始めています。。

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開講場所は、スタジオプレーン・・場所はこちらです

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# by hiratsukadessan | 2010-11-27 03:03 | お知らせ
このようなタイトルをつけると、すぐにラクに、デッサンがうまくなる方法がある…
とでも言うのかと思われそうですが、そういう主旨ではありません。
しかし、効果的なトレーニングの方法はあると思っています。

それには、トレーニングの目的を良く理解することも大切です。


まず、鉛筆デッサンは、鉛筆の使い方のトレーニングではありません。
鉛筆で描くテクニックを覚えるためのトレーニングではありません。

このように描けばこのように見える、こういう場合はこう描けば良い…
そういうことをいくらたくさん覚えても、それだけでは良いデッサンは描けないし、
デッサン力が身についたことにはなりません。
長い年月、数多くのデッサンを描き続けていれば、自然に鉛筆の使い方はうまくなり、
それなりのhow toも覚えられるだろうと思いますが、それがデッサンの目的ではありません。

もし鉛筆の技術を上達させるのが目的であれば、デッサンの応用範囲は限られたモノになってしまいます。
何故デッサンが、色々なアートの基本と言われるのかを考えれば、
必ずしも鉛筆のテクニックとは関係のないものであることがわかると思いますし、
こう描けばこう見えるということを覚えるだけなら、実際にモチーフを見ながら、
かたちを測ったり観察したりする以外に、もっと効果的な方法がありそうです。


それではデッサンは何を目的としているのか…

(本来の、広い意味でのデッサンとは、作家が自分の作品のための資料として、
また、エスキースやアイデアスケッチ的な意味で描くもの等も含まれると思いますが、
ここでは狭い意味のデッサン、つまり色々なジャンルの表現や造形などのための
基礎トレーニングとして行なわれるデッサンについて書いています…)


デッサンで磨かれるのは、観察力(物の見方)そしてイメージを具体化する力、
そのような、表現の基礎となる、自分の内側で行なわれる作業を強化する力…であると思います。
表現のテクニックは、その後から付いてくるのです。


デッサンでは結果として出来上がる作品よりも、そのプロセスに重要性があります。
デッサンを制作していく内に、それまで見過ごしていたものが見えるようになること、
見えなかったものが見えるようになること…これがデッサンの目的と言えます。


そのためには、見えるものを見えたとおりに紙の上に表わそうとして
自分がどんなものを描いているのか、それが本当に見えるとおりなのか、
見る(モチーフ及び自分の画面を…)というインプットと
描くというアウトプットのサークルを回す事が大切です。

このサークルを回す内に、それまで自分は、ものを見ているつもりで
実はそのものの存在を認識した時点で頭の中にある観念と無意識にすり替えていた事に気づかされます。

そして実際に視覚が捉えている映像には、認識のフィルターにより、削除されていた情報が
数多くあったことがわかってきます。

このフィルターは、各個人により微妙に違うものであるかもしれません。
ですからフィルターを外したものを表現しなければ、他人には正しく伝わらない可能性も
あるのではないかと考えられます。

これに気づかないまま、自分と同じフィルターを持つ人にしか伝わらない表現しかできないか、
それらのフィルターを外した状態を知った上で、敢えて意識的にフィルターをかけた表現をするのか、
この違いは大きいのではないでしょうか。


このことをしっかりと意識して、デッサンでは、とにかくモチーフをよく見る、
見えるものを見えるとおりに描く事に徹する、そしてモチーフと自分の画面とを見比べる、
違うところを探し出して直す、更に観察する、見えるものをもっと探す、描く、見比べる、
直す、描く…この繰り返しです。

どう描けばどう見えるかなど考える必要はありません。

目の前のモチーフが、どうなっているのかを観察し、そのとおりに描けば良いだけです。
モチーフと同じように見えないのは、何かが違っているからです。
どこが違うのかを、一つでも二つでも、見つけ出しそれを描くだけです。

このようなデッサンをしていれば、どういうところを観察すると、重要な調子がみつかりやすいかとか、
かたちを捉えるポイントはどこかとか、自分はどういうところを見落としやすいのか等々、
観察のポイントというべきものがわかってきます。
これが、【上達】への道です。


汚れなくきれいに整って仕上がった作品が必ずしも良いデッサンではありません。
始めの計画通り順調に、どこも直すことなく仕上がることが理想的とは言えません。
むしろ、始めには見えなかった変化を発見し、形の狂いに気がつき、それらを直し、
描き込んで行けば、予想外の線や調子が入って【きれい】とは言えない仕上がりになってしまったとしても、
その画面からは、存在感や迫力などが伝わり、自然な空間が感じられる作品となっているかもしれません。
それがデッサンでは重要なのです。
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# by hiratsukadessan | 2010-10-30 04:33 | デッサンとは
平塚デッサン塾は、今年の4月から、JR東海道線平塚駅ビル【ラスカ】6階の文化教室で、
第五を除く毎週土曜日の午後五時半から行なっていますが、
この度、新しく別の場所にも教室をオープンすることになりました!

場所は、平塚駅を出ますが、徒歩5分弱、北口駅前交差点すぐそばです。

これまでとは別の曜日、時間帯に、複数のクラスを開講します。
また、大きな画面での制作を行なえるようになります。

まだ準備を開始したばかりで、いつから稼働できるか今のところ未定ですが、
詳細など、決まり次第お知らせ致します。

ご参加ご希望の方、お問い合わせなどは、
hiratsukadessan@excite.co.jp
↑こちらまで、ご連絡ください。

ご希望の日時などがおありの方は、その旨お知らせいただければ、
クラス設定の計画の参考にさせていただきます。よろしくお願い致します。
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# by hiratsukadessan | 2010-10-27 04:11 | お知らせ
このようなことは、まず自分で積極的に数多く試してみることが重要ですが、
ポイントとなるのは、硬度による、タッチ(筆触…つまり線の表情)の違い、
調子を出すための線の密度の違い、そして鉛筆の色合いの違い…といったところでしょうか。


例ですが…… モチーフの、台に映る影を描写しようとする場合、
同じ程度の暗さでも、4Bによる調子と、HBによる調子とでは、かなり印象が違うはずです。
比較すると、4Bで作った調子は粗く、HBによるものの方が線の密度が高くなり、
4Bによる影は、少し浮き出て見えてしまう…というようなことがあります。

モチーフの状態や、光の状態、台の部分の素材があるのかどうかにもより見え方は変わりますし、
また、実際には、4Bだけ、HBだけ…で影を描くという事はないでしょうし、
上記は説明のための、【例え】です。
影は4Bで描いてはイケナイ…等というつもりはありません。…が、これに近いことはよく見受けられます。


同様の効果の応用として、同じ色で、更に光の条件もほぼ同じであるモチーフの、
近い部分と遠い部分を、描き分けたい…というようなとき、
同じ調子を、4Bで出すのと、Bで出すのとの違いを利用する事ができるかもしれません。


下地を4Bで作り、上からFのタッチを重ねるのと、逆に、下地をFで作り、4Bを重ねるのと、
どのような違いがあるのか、無いのかを知っておく…等というようなことも、
何らかの表現に役立つかもしれません。

硬度の使い分けによる様々な表現は、実際のデッサンの制作の過程で、少しずつ実験するつもりで、
積極的に試していくようにすると良いと思います。


が、デッサンはあくまでも観察が主体ですから、
まず観察して、感じ取った、表現したいものを、どう表現するか…というときに、
鉛筆の技法を工夫してみる、というスタンスでなければいけません。

こういう鉛筆を使えばこう見えるはずだ…というようなテクニック先行の表現になってしまっては、
デッサンとしては弱い、リアリティのないものになってしまいますので注意が必要です。
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# by hiratsukadessan | 2010-10-27 03:39 | デッサン技法
一般的に、デッサンの描き始めには、2B〜3B程度が適していると思います。
構図を決め、配置を探り、かたちの大まかなアタリを取る作業の段階です。

この段階では大まかな線を用い、細部の描写はしませんから、
芯は柔らかめのものを使って、軽い筆圧で、大きなタッチを描くようにします。

ここでは、あとで修正を行なうことや、上に線を描き加えていく事を考えなければなりませんが、
描き始めの白い画用紙に対して、薄い線では、目安になりにくく、
そのため、硬い鉛筆を使うと、どうしても筆圧が高くなり勝ちで、画用紙の目を潰してしまったり、
画用紙に跡を残す事が多くなります。

しかし、最初は、かたちや位置を探るアタリの線や補助線など、多くの線を使うので、
軟らかい5B、6Bとなると、それらの線が重なり黒くなり過ぎ、最終的に明るい調子を出したい部分などに
余分な暗さが出て、調子の幅が狭くなることに繋がりやすいです。

従って、描き始めは、後の作業がしやすいように、中間程度の鉛筆を使用します。

その後、ある程度かたちを描き込む段階までは、このまま進め、
全体に大きな調子を入れる段階になれば、少し柔らかめの鉛筆に変えて、大きな調子をつけると良いでしょう。

大きな調子を入れる際は、細かい面の変化は無視して、大きなタッチで調子を作ることになるので、
この時の線は、粗いものになります。
この粗い線が最後まで残ると、微妙な表現の邪魔になる場合がありますから、
上に重ねる線にうまく溶けこんでタッチが消えていくようにするには、柔らかめの鉛筆が
適しています。また、後に練りゴムの効果も出しやすいです。

基本的に、硬めの鉛筆は画用紙の目を潰しやすいので、硬い鉛筆を多く重ねて作った調子は、
その上に軟らかい鉛筆を重ねても、それ以上の暗い調子が出にくくなります。
そして、硬い鉛筆のタッチは、軟らかい鉛筆よりも練りゴムが効きにくいという面もありますので、
ベースとなる作業には、硬い鉛筆を使う事は避けた方が良いです。

仕上げに近づいて細部の描写が多くなると、細かい表現には、硬めの鉛筆の方が向いています。

また、(1)に書いたように、軟らかい鉛筆で作った調子の上に、
少し硬めの鉛筆のタッチを重ねる事によって、更に深い調子を出すこともでき、
つまり、軟らかい鉛筆による調子に、硬めの鉛筆を重ねる事で、
より微妙な調子の変化を作り出すことが可能になります。

ですから基本的な流れとしては、軟らかめの鉛筆で描き始め、調子を入れ、
段階を追って、硬めの鉛筆で仕上げて行く…というようなものになりますが、
実際は、描き込みが進むと、素材感・質感、色合い、量感、奥行き、等、様々の表現のために、
鉛筆の硬度を使い分け、その効果を活用することになります。
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# by hiratsukadessan | 2010-10-27 03:25 | デッサン技法
平塚デッサン塾では、2H H F HB B 2B 3B 4B 5B 6Bの10本の鉛筆を用意して頂きます。
表現の幅を拡げるためには鉛筆の硬度の使い分けも重要です。

以前の記事に書いたように、例えば同じ2Bでも、鉛筆メーカーが違えば、色合いも硬度も
変わってしまいますが、大切なことは硬度の【関係】を使い分ける事ですから、
まずはひとつのメーカーで揃えた鉛筆のそれぞれの硬度の違いを経験して、
自分に合った表現を探ってみてください。

人によって、筆圧やタッチの癖など、鉛筆の使い方にはそれぞれ微妙な違いがあり
「好み」の問題もありますから、細かいことは使う人自身が、実際に試して経験を積んで
理解していくのがいちばんです。


ここでは硬度の違いをどのように使い分けるかについて一般的なところを書いておきます。

鉛筆の先を見ると、柔らかい芯ほど太いのがわかりますが、従ってタッチ一本一本の太さは、
軟らかい鉛筆ほど増します。
4B、6Bなど「B」の数が大きくなる程、芯は軟らかく、軽い筆圧でもしっかりとした黒さが出ます。

例えば、2Hと2Bを使い、同じ程度の筆圧で同じくらいの本数の線を並べた面を作ってみると、
硬い2Hで作った面の調子は淡く、やわらかい2Bによる面の色の方が濃くなります。
また、たとえば2Hと2Bとで、それぞれ同じ程度の濃さのグレーを作ろうとすれば、
2Bでは軽く少ない線で、2Hではかなり多くの線を重ねなければ、同じ位の調子を出すことは難しいでしょう。

これを、単純に応用すると、明るい面をしっかりと描きたい場合には、
線の密度を高めてもあまり暗くならない硬めの鉛筆を使用すれば、描写しやすいことになり、
暗い・或いは色の濃い面を描き込む場合は、軟らかい鉛筆を使用すれば、
濃度の高い深い調子が出やすい事になります。

しかし、確かに、軟らかい鉛筆の調子は、深い強い暗さが出ますが、4B・5B・6B等で
線を多く重ねていくと、粉が浮いたようになり、それ以上の調子が乗りにくくなることがあります。
このような場合は、一旦、HB等の少し硬めの鉛筆のタッチをその上にかけて
粉を抑えるように落ち着かせると、更に深く濃度が出ます。
必ずしも軟らかい鉛筆だけで濃い色を出せるという訳ではありません。

そして、鉛筆の硬度の違いは、単純に濃淡の表現だけではありません。
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# by hiratsukadessan | 2010-10-27 03:18 | デッサン技法