鉛筆(2) 鉛筆の持ち方と姿勢

鉛筆(1)に書いたように、線の集合で調子を作って描いていく場合は、
できるだけ均一な線を重ねる事を基本にしますので、
鉛筆の持ち方は、通常の文字を書く場合とは少し違います。

(描写によって、時には必要に応じて持ち替えて描くこともありますが、
ここでは基本となる姿勢について説明します。)

掌を上に向け、四本の指の上に、小指の辺りに鉛筆のお尻が来るように鉛筆を乗せ
(当然、鉛筆の長さによりますが…短くなっていない新しい鉛筆の長さを想定)
そのまま五本の指で鉛筆を包み込むように持って、画面に芯を当てて描きます。

こうすると、鉛筆の角度は、肘から手首への線とほぼ同じ、肘から手首の延長上に
鉛筆の先が来るような角度になります。
そして、肩胛骨から腕全体を動かすような気持ちで、のびのびと描いていきます。

文字を書くように鉛筆を持って手首のスナップで描く方法ですと
筆圧が変化しやすく、また描写が細かくなり勝ちで、
部分描写に偏り易く、全体のバランスに目が行きにくいことに繋がります。
細部を描き込む段階ではこのような描法を使用することもありますが、
基本的には腕全体を使って大きく捉える線を重ねて描いて行きます。


また制作中には常にモチーフと画面の全体に目を配る必要がありますので、
画面全体が見えるよう、近づきすぎない適度な距離を取ります。
上のように鉛筆を持ち、背筋を伸ばして画面に向かった状態で、
肘を軽く曲げて描けるような画面との距離が適切です。

そして、座った姿勢で、モチーフと画面の両方が目に入る体勢を取る事が大切です。
画面でモチーフが隠れてしまうとか、身体の向きを変えないとモチーフが見えない…
というような位置関係は避けるように工夫してください。


デッサンを描き始める際には特に、また、できれば制作中にも適宜、モチーフを、
描く位置以外からも観察し、隠れて見えない部分、反対側から見たかたちや、
真上から見たかたち、等、様々な角度から観察しておくと、
見えている部分への理解が深まり、観察の精度が上がります。
また、可能なら、触ったり持ってみたりして、面の変化を触感でも観察したり、
表面の質感や重さなどを知っておくことも有効です。


しかし、正確なかたちを描写するには、制作中は視点を変えないように注意して、
観察し、かたちを測る必要があります。
視点がずれると、面の角度やパースが狂ったり、複数のモチーフを描く場合には
位置関係や空間の状態などが狂ってしまう原因になります。

正確なかたちを捉えるためには姿勢を一定にし、自分の目とモチーフとの関係をずらさない事が大切です。
何かしらの目安となるものを決めて、時々自分の視点をチェックするようにします。
また、疲れにくい崩れにくい姿勢で描き始めるようにしましょう。
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by hiratsukadessan | 2010-10-18 16:32 | デッサン技法